>>戻る / >>次へ

私は小さい頃から四つ下の弟の一(ハジメ)ことが好きだった。
でもそれは恋愛感情の「好き」ではなく、
家族に対しての「好き」でしかなかったと思う。
傍から見ればごく普通の仲のいい姉弟だったんじゃないかな。
けれども私が中学生の頃に、ハジメを一人の男として意識し始めた。
きっかけはわからない。 気が付けば恋心を抱いていたんだよね。
でも、これは一時的なもので大人になって
他の男と付き合うようになれば消えるものだと思っていた。
そして実際、何人かの男と付き合ってみたけど、この想いは消えることはなかった。
それどころかハジメへの想いはいっそう募るばかり。
どうしても付き合った相手とハジメを比べてあら捜しをしちゃう。
その結果、相手がどんどんつまらない男に見えてきちゃって・・・。
そんな状態じゃ長続きするはずもなく、そのまま御破算ってことが続いてた。
このままじゃ私、一生をハジメに片思いのまま過ごすことになるんじゃないかと
不安になったりもしたっけ。

でも、今の私が置かれている状況は昔と全く違う。
まさか、こんなことになるなんて思ってもみなかった。

ことの始まりは、そう、一年と少し前のことだった。


>>戻る / >>次へ