>>戻る / >>前へ / >>次へ | |||||||
夢を見た。 また姉が俺に舐めさせて、ついに俺の理性が吹っ飛んで、 避妊もせずに最後までやってしまった。 出した後、姉の顔を見ようとしたら目が覚めた。 ひどい夢だ。夢精していなかったのがせめてもの救いだ。 母はもう出かけていた。 姉はまだ起きていないが、もう起きる時間だった。 起こしに行くのか。気が重かった。 姉は悔しいくらいぐっすりと眠っていた。 昨日俺にオナニーを強要したのと同じ顔とは思えない。 「姉ちゃん、起きろ」 「ん…もっと…」 何言ってんだ? 「いいから起きなって」 「うにゅう〜」 布団をめくりあげる。これで大抵起きる。 「もう…眠たいのに」 「仕事があんだろ?」 いつも通りの接し方だった。少し安堵する。 「今日、送っていってね」 「へいへい」やっぱりいつも通りだった。 帰ってきてパソコンを起動した。 まだ残っていた。もう落ちてもいいと思っていた。 スレを立ててから状況が良くなったことがない。 が、一晩中健気に保守してくれたのに、何もなしというのは 流石に可哀相な気がした。安価を出す。
やるんじゃなかった…。思いつくうちで最悪の案だった。 俺は思いつかなかったが。 やるのか?やるべきなのか? やったとしたら今朝戻った雰囲気がまた悪化する。 悪化では済まされないかもしれない。 でも。安価だ。VIPだ。やるしかない。 大きく息を吸って、部屋を出た。 ドアをノックする。乾いた音が妙に怖い。 「姉ちゃん、入るよ」 「うん」 姉は雑誌を読んでいた。何の雑誌かはよく分からない。 「あ…あのさ…」 「うん?」 口に出して言うのが予想以上に厳しかった。変態だ。でももういい。 「昨日穿いてたパンツ…欲しいんだけど」 さあ、もう逃げられないぞ。お前は馬鹿か?馬鹿だ。 「は?」 姉は流石に呆気にとられたようだったが、意味を把握したと見えて、 またあの笑みを浮かべた。いじめに似たものがある。 その顔に耐えられなくなって、俯く。 床には、気が紛れるようなものは無論落ちていない。 「…パンツって…私の…?」 どうするんだ、この馬鹿。昨日と同じじゃないか。 「…うん」 「へぇー…」 声が笑っていた。弟の意味不明な言動を。 「お姉ちゃんのパンツが欲しいんだぁ」 何だこの状況は。これは何というエロゲなんだ。 俺が黙っていると、姉は立ち上がった。姉の足が視界に入り込む。 「またお姉ちゃんのパンツでオナニーするんだ?」 耐え難き言葉。家族の部屋で社会の厳しさに直面した。 「しないよ…」 「じゃあどうして欲しいの?」 何も言えない。階下で母が水道を止めた。 上司に命令されて罪を犯した部下を、責めることはこれから無くなるだろう。 「ほらほら言ってごらん」 手のひらに全く空気が入らないくらい、拳は固く固まっている。 キレたい。全て終わりにしたい。ばらしてしまえば、楽になるだろうか。 でも、そんなことは出来やしないんだ。最初から分かっている。 「そんなことしないって」 「じゃあ何に使うのよ」 ばらせば楽になる。この場だけは。その後があまりに恐ろしい。 「どーせオナニーするんでしょ」 反論できない。対策を立ててから部屋に来るべきだった。 「あ、じゃあこうしよう!」 まだ、あの声だ。良い方向に転がる可能性は日本のそれと同じくらいのものだ。 「え?」 「パンツあげるから、ここでオナニーしていきなさい」 「は!?」 同じ境遇で育って、何故頭の回転がこんなに違うのだろう。 「ほら、その辺に脱いであるから」 足下の延長上に、小さな白の塊が見えた。 「お姉ちゃん〜!って言いながらオナニーしたらあげる」 「お姉ちゃん」の部分は俺を真似して言った。 それで限界が来た。黙って部屋を出た。拳が、解けない。
本心が画面の向こうに浮かんでいる。画面の中の人々は安価と叫ぶ。
「あるあ…ねーよ!!」机が震えて、手が痛む。 母の声が俺を呼ぶ。画面に舌を出して部屋を出る。 姉とは目を合わせなかった。 母が職場の同僚の話をしていたので、気まずくならずに済んだ。 部屋に戻ると、なんだか真面目に話し合っていた。嬉しかった。 これからのことを、多数決で決めることにする。
分かるような、分からないような。解釈が難しかった。 意見を見ながら目をしかめていると、携帯が震えた。
丁度いい。こいつらの提案が、果たしてうまく行くか、試して来よう。 もう一度画面を確認して、部屋を出る。 「何?」 姉はテレビの前で何やら準備している。 「ゲームしよ」 よし来た。かかったな! 「俺いいや」 「え?」 姉が俺を見る。口が半開きだ。 「忙しいから」 「ちょっとくらいいいでしょ」 「やることあるから。一人でやれば」 「そう・・・」 寂しげな顔をされて、少し胸に来た。が、ここが勝負なのだ。 「それだけ?」 部屋を出ようと踵を返す。 「いいじゃん、やろうよ」 「俺忙しいから。じゃ」 顔も見ずに廊下に出た。姉の声は聞こえなかった。 勝った。何日かぶりに姉の要求を拒否した。 さっきとは違うニュアンスで、拳が固まった。 パソコンの前に戻り、勝利の報告をすると、人々はあまり喜ばなかった。 それどころか姉が可哀相だなどとほざいている。 これまで俺が受けてきた仕打ちを思い出せ。
どうもこの意見が俺に次求められている行動のようだった。 望むところだ。むしろやらせて欲しい。 姉の返答次第で、俺の願いも達成されるかもしれない。 深い呼吸を一つして、立ち上がった。 このあと、この場所に戻るのが2時間後になるなんて、誰も思わなかっただろう。 |
|||||||
>>戻る / >>前へ / >>次へ |